レイヤーの追加および管理手法

絵コンテの各パネルは1つまたは複数の描画レイヤーから構成されます。これらのレイヤーが1つに組み立てられて各パネルの描画となります。

レイヤータイプ

Storyboard Pro はベクター描画レイヤー、ビットマップ描画レイヤー、3Dレイヤーおよびグループの4種のレイヤーに対応しています。

  • ベクターレイヤー:ベクター描画はアートワークの形状の輪郭を構成する点と曲線、およびこれらの形状を塗りつぶすカラーまたはテクスチャーでできています。そのためベクターレイヤーのアートワークを拡大およびズームインしても、テクスチャーが含まれる場合を除き品質が損なわれることはありません。
  • ベクターレイヤーに描画する場合、各描画ストロークと鉛筆線は個別に操作可能な別オブジェクトです。全体に描画ストロークが適用された場合でも、単一の描画ストロークを選択して自由に移動させたりトランスフォームしたりできます。さらに描画ストロークは点と曲線でできているため形状の編集が可能で、容易にアートワークを修正・変更できます。

  • ビットマップレイヤー:ビットマップ描画はそれぞれが単色の小さな点である画素のグリッドでできています。ビットマップ描画ツールを使用して単一のフラットなキャンバスにブラシストロークを塗り、必要であれば画素単位でアートワークを調整できます。
  • ビットマップレイヤーに描画する場合、各ブラシまたは鉛筆ストロークはキャンバスに合成されるため、常にペイントまたは削除のみが可能な単一の描画として維持されます。ただしそれにより個別の部分の調整はできません。

    ビットマップアートワークでは画像品質を損なわずに済む画素密度の許容範囲内でのみ拡大やズームインが可能です。デフォルトではビットマップアートワークの画素密度は100%で、これはズームインや拡大を行わずにアートワークを表示するためのぎりぎりの数値です。それ以外の場合にはStoryboard Pro によってアートワーク内に新しい画素が生成される必要があり、アートワークがぼやけたり画素化したりする可能性が高くなります。

    したがって、ビットマップレイヤーに描画を開始する前に、ビットマップアートワークに必要なピクセル密度を、拡大または縮小する必要があるかどうかに基づいて設定するとよいでしょう。

  • 3D Layers(3Dレイヤー): ライブラリに3Dモデルをインポートする際、パネルに追加することでそのモデルを3Dレイヤーに保存することになります。その後描画レイヤーと同じように3Dモデルを操作およびアニメートできます。
  • グループ: グループにはあらゆるタイプのレイヤーを複数含めることができます。レイヤーをトランスフォームおよびアニメートするのと同じように、グループもトランスフォームおよびアニメートできます。グループに適用したXシートビューおよびアニメーションは、グループ内のすべてのレイヤーに同時に影響します。を参照してください。

パネル内のレイヤーを選択して管理するための簡単な手法は、Layer(レイヤー)パネルを使用することです。これは、デフォルトでは、Stage(ステージ)ビューおよびCamera(カメラ)ビューの右側セクションにあります。

ただし、同じように動作するLayers(レイヤー)ビューをワークスペースに追加することもできます。次に、左上隅の Collapse(折りたたみ)ボタンをクリックしてLayer(レイヤー)パネルを非表示にし、Stage(ステージ)ビューおよびCamera(カメラ)ビューで作業するスペースを増やすことができます。

Layers(レイヤー)ビューにも追加の機能があります。特定のタイプのエクスポートにレイヤーが含まれるのかどうかを決定し、カメラの角度に従わせるためにカメラ動作または3Dカットに従うようレイヤーを設定することもできます。エクスポート用レイヤーの有効化と無効化および2Dレイヤーと3Dカメラのアライメントを参照してください。

Thumbnails(サムネール)ビューを使用してレイヤーを管理することもできます。Thumbnails(サムネール)ビューのサイズが十分大きい場合は、各パネルの右端にはレイヤーのリストが縦に並んでいるのでスクロールしてレイヤーを選択できます。Thumbnails(サムネール)ビューの左、Tools(ツール)ツールバーの下にはLayer(レイヤー)ツールバーがあり、選択したパネルにレイヤーを追加/削除できます。

レイヤーを追加

デフォルトではパネルには背景(BG)と描画レイヤー(A)が含まれますが、プロジェクトの各パネルに必要なだけレイヤーを追加できます。

レイヤーを削除する

不要なレイヤーを削除してレイヤーリストをすっきりと整理することができます。

レイヤーをグループ化する

レイヤーをグループ化して管理しやすくすることができます。

ヒント

レイヤーがグループ化されている場合、複数のレイヤーを一緒に変形したりアニメーションさせたりすることができます。

複数のレイヤーをまとめて変形・アニメーションさせるには、altキーを押しながらグループフォルダーをクリックしてグループを選択します。次に、選択ツールで、カメラビューまたはステージビューのグループの図面上にマウスをドラッグします。

レイヤーの非表示と表示

多くのレイヤーを扱う場合、特定のレイヤーを一時的に非表示にしてステージをすっきりと整理することができます。

グループを非表示にすることもできます。グループを非表示にすると含まれるすべてのレイヤーも非表示になりますが、個別の可視性は維持されます。そのためグループ内の一部のレイヤーのみを非表示にしてからグループそのものを非表示にし、その後グループの非表示を解除した場合、もともと個別に非表示にされていたレイヤーは非表示のまま、もともと表示されていたレイヤーは再び表示されるようになります。

レイヤーのロック/アンロック

選択したレイヤーをロックして、レイヤー上のオブジェクトが変更されないように保護することができます。ロックしたレイヤーをアンロックすれば、オブジェクトに変更を加えることができます。