3Dでの作業手法

Storyboard Pro では3Dスペースで描画レイヤーを操作できるほか、3Dモデルを絵コンテに統合できます。プロジェクトで3Dモデルを使用する場合、描画する代わりにプロジェクトにインポートしてパネルに挿入できます。

Scene(カット)を3Dに変換する

カットを作成する場合、デフォルトでは2Dモードになります。つまり、レイヤーはZ軸で同じ位置にロックされ、Z軸でのみ回転できます。これにより、不要な3D機能でワークフローに負担がかからないようにしています。

2Dカットは容易に3Dに変換したり戻したりできます。3DカットではZ軸上でレイヤーを移動させたり、あらゆる方向に回転させたりすることができます。さらにカメラをあらゆる方向に回転させて、ステージの深度全体を移動させることができます。同様にStage(ステージ)ビューをあらゆる角度で回転させてステージの深度を移動できるため、さまざまな視点から表示することができます。

カットを3Dに変換できますが、単一のパネルはできません。3Dモードに切り替える場合にモードが適用されるのは現在のカットのみで、プロジェクト全体ではありません。

Scene(カット)を2Dにリセットする

3Dカットをリセットして2Dに戻すことができます。この操作を行うと次の変更がカットに加えられます。

  • インポートした3Dモデルが削除されます。
  • 3Dカメラ動作が2Dカメラ動作に変換されます。z軸のカメラ動作は2Dカメラのズームインとズームアウトに変換されますが、3D回転は無視されます。
  • レイヤーの3Dトランスフォームが2Dトランスフォームに変換されます。z軸で移動したレイヤーは拡大または縮小されて見た目の比率が維持されますが3D回転は無視されます。

Top(トップ)およびSide(サイド)からObjects(オブジェクト)を表示する

3Dで作業する場合、Stage(ステージ)ビューを使用してあらゆる視点と角度からステージを見て、オブジェクトがスペース内でどのように配置されているかを確認できます。Camera(カメラ)ビューを使用すれば、カメラの視点からステージを見ることができます。ただし、多くの場合、Z軸におけるオブジェクトとレイヤーの配置には精密なコントロールが必要です。

Top(トップ)およびSide(サイド)ビューでは、それぞれ上と側面からステージを表示できます。ステージにパースを適用しないこれらのビューを使用することで、より精密にエレメントを配置できます。Side(サイド)ビューを使用して、前後(z)軸および南北(y)軸でレイヤーとオブジェクトを表示および配置できます。Top(トップ)ビューを使用して、前後(z)および東西(x)軸でレイヤーとオブジェクトを表示および配置できます。そのため両方のビューを組み合わせれば、他の軸での位置を見失わずにZ軸でオブジェクトを配置するのに役立ちます。

Top(トップ)およびSide(サイド)ビューでは、まるで紙片を横から見ているかのように2Dレイヤーが薄いセグメントとして表示されます。これらのビューから2Dレイヤーを手動で選択、操作できます。

2Dエレメントを3Dスペースに配置する

3Dカットでは描画レイヤーを3Dオブジェクトのように操作できます。カメラに近づけたり離したりして配置することで、マルチプレーン効果を生み出すことができます。あらゆる方向に回転させて、側面が開いた空間などの疑似3D構造を作り出すこともできます。

3Dモデルをインポートする

ライブラリにインポートして必要なパネルにドラッグ&ドロップすることで、3Dモデルをプロジェクトに統合できます。Storyboard Pro のプロジェクトはそれぞれ独自の3Dモデルライブラリを備えています。モデルの各インスタンスはプロジェクトのライブラリから供給されるため、Storyboard Pro ではそれを使用する各パネルのためにモデルのコピーを保存する必要がありません。

Storyboard Pro では次のタイプの3Dモデルがサポートされています。

  • Filmbox (.fbx)
  • 3DS Max (.3ds)
  • Wavefront OBJ (.obj)
  • Allembic (.abc)
  • Collada (.dae)
モデルに埋め込まれたテクスチャーとともにパッケージできるため、Filmbox (.fbx)形式の使用をお勧めします。

3Dオブジェクトを操作する

3Dモデルをレイヤートランスフォームツールで選択すると、Stage(ステージ)、Camera(カメラ)、Top(トップ)、Side(サイド)ビューでその上に3Dトランスフォメーションマニピュレータが表示されます。3Dモデル用のトランスフォメーションマニピュレータは立方体で中にコントロールがあり、3つの軸すべてでモデルを移動、回転、拡大縮小できます。

パネルにインポートされたばかりの3Dモデルはカメラに向き合っています。そのため、3Dマニピュレータの立方体もカメラに向き合っており、四角く見えます。この角度ではZ軸でモデルを移動または拡大縮小することはできません。これに対処するには、Stage(ステージ)ビューを回転させるか、Top(トップ)またはSide(サイド)ビューを使用するか、モデル自体を回転させる必要があります。

3Dカットのプレビューを見る

Storyboard Pro では、オブジェクトを描画および操作するためのStage(ステージ)ビューがデフォルトのビューとなっています。しかし、3Dで作業する場合、そこには1つの落とし穴があります。すなわち、Stage(ステージ)ビューでパン、回転、ズームイン、ズームアウトを行うとき、ステージを見ている視点が変わります。つまり、要素の見かけの位置やサイズは、ストーリーボードに表示されるものとは異なる可能性があります またはアニメーション

絵コンテで見えるように正確に3Dカットを見る場合、Camera(カメラ)ビューを使用する必要があります。Camera(カメラ)ビューではパン、回転、ズームインを行っても常にカメラの視点からステージが表示されます。そのためカメラまたは3Dオブジェクトの位置に変更を加える場合、常にCamera(カメラ)ビューからカットをプレビューしてカットの構図が期待通りであるようにする必要があります。