描画ツールについて

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ベクター描画

ビットマップ描画

描画ツール

Storyboard Pro の2 つの主要な描画ツールは、Brush(ブラシ)ツールと Pencil(鉛筆)ツールです。実現したい描画スタイルによって、ベクターレイヤーまたはビットマップレイヤーで作業することを好むかもしれません。

ベクターレイヤーでは、鉛筆線、テクスチャー付き鉛筆線、ベクターブラシ、テクスチャー付きベクターブラシで描画することができます。鉛筆線が太さを加えられるベクター中心線であるのに対して、ブラシストロークは1色で塗りつぶされたソリッドベクターシェイプです。また、テクスチャー付きブラシストロークは、色をフィルターで除去するビットマップテクスチャーで塗りつぶされたブラシストロークです。

ビットマップレイヤーでは、ソリッドまたはテクスチャー付きビットマップブラシでのみ描画できます。そのため、アートワークのパーツを容易に操作・調整できるベクターレイヤーは柔軟性が高く、より多くのアートスタイルに対応できます。

ただし、ベクターレイヤーでテクスチャー付きブラシを使用する場合、ブラシストロークにはビットマップテクスチャーが付きます。つまり、ビットマップレイヤーのアートワークと同様に、テクスチャー付きブラシストロークの調整またはサイズ変更を行うには、Storyboard Pro によるテクスチャーの再サンプルが必要となります。このため、描画を開始する前にテクスチャー解像度を十分に向上させない場合、画質が損なわれる傾向があります。

ベクター描画でテクスチャー付きブラシを使用する際は、ビットマップ描画が常に単一のフラットなキャンバスからなるのに対して、ベクターブラシストロークは別々のオブジェクトとして保持されるという点に注意してください。つまり、ベクター描画に多くのテクスチャー付きブラシストロークを置いた場合、Storyboard Pro が各ストロークのテクスチャーを保存し、リアルタイムでまとめて合成して描画を表示する必要があるのです。これによってテクスチャーの重いベクター描画では、アプリケーションパフォーマンスとファイルサイズがビットマップ描画よりも大きくなります。ただし、ベクター描画がビットマップ描画より重くなることがあるのは、このケースのみです。

スケッチには推奨されませんが、テクスチャー付き鉛筆線は優れた妥協点です。テクスチャー付き鉛筆線は、より軽く、編集がしやすくなります。つまり、鉛筆線を拡大縮小したり微調整したりすると、テクスチャーはトランスフォメーションに伴って更新されます。これはまた、既存の鉛筆線に適用されているテクスチャーを変更したり、まだテクスチャーがない鉛筆線にテクスチャーを適用したりできることを意味します。ブラシテクスチャーは、自然に見えるブラシを実現したいときには、テクスチャー付き鉛筆線よりも推奨されます。

アートワークをフラット化しても、異なる色のテクスチャー付きブラシストロークはベクターレイヤー上でまとめてフラット化されません。

次の表では、Storyboard Pro で利用できるさまざまな描画手法を比較しています。

描画ツール レイヤータイプ 詳細
ソリッド鉛筆 ベクター

メリット:非常に軽く、調整が容易。操作、再彩色、調整が中心線で可能。品質を損なわずにズームインや拡大が可能。

欠点:透明度に最適化されていません。

推奨される用途:ソリッドで均一なアウトラインスタイルのはっきりした描画。

テクスチャー付き鉛筆 ベクター

メリット:軽くて簡単に微調整できる。操作、再彩色、調整が中心線で可能。品質を損なわずにズームインや拡大が可能。

デメリット: 透明性に最適化されていない。スケッチには推奨されません。テクスチャー付きブラシほど自然に見えません。

推奨される用途:線操作を多く必要とする、軽いテクスチャまたは混合スタイルのアートワーク。

ソリッドベクターブラシ ベクター

メリット: ファイルサイズが小さい。セルアニメーションスタイルを再現。操作、再彩色、編集が輪郭または中心線で可能。品質を損なわずにズームインや拡大が可能。

デメリット: メディアの自然な見た目を再現できない。

推奨用途: スケッチ、またははっきりしたセルアニメーションスタイルの描画。

テクスチャー付きベクターブラシ ベクター

メリット: 自然なメディアの外観を再現できます。テクスチャー付きビットマップブラシと同等の機能を持つが、ソリッドベクターブラシのように操作、編集、再彩色できます。

デメリット: ブラシストロークを重ねると描画のアプリケーションパフォーマンスとファイルサイズが大きくなることがある。異なる色のブラシストロークをまとめてフラット化できない。アートワークの調整、拡大、ズームインにより、テクスチャー品質が損なわれる傾向がある。

推奨用途: 軽いビットマップスタイルのテクスチャー付きアートワークまたは混合スタイルのアートワーク向け。

テクスチャー付きビットマップブラシ ビットマップ

メリット: メディアの自然な見た目を再現できる。テクスチャーの重いベクターアートワークよりパフォーマンスに優れ、ファイルサイズが小さい。画素単位で編集可能。

デメリット: ブラシストロークは常にまとめてフラット化され、個別に修正できない。描画または削除のみ可能。アートワークの拡大またはズームインで画質が損なわれる傾向がある。

推奨用途: テクスチャーの重いビットマップアートワーク。

以下は Storyboard Pro で使用できる描画ツールと、サポートされているレイヤーのタイプです。 ベクターレイヤーを編集している場合は、全てのツールを利用することができます。ビットマップレイヤーに描画している場合は、使用できないツールがいくつかあります。使用できないツールは、Tools(ツール)ツールバーでグレー表示されています。

アイコン ツール名 ベクターレイヤー ビットマップレイヤー

Select(選択)

Select by Colour(カラーで選択)

 

Cutter(カッター)

Contour Editor(輪郭編集)

 

Centerline Editor(中心線エディター)

 

Perspective(パース)

 

Edit Gradient/Texture
(グラデーション/テクスチャーの編集)

 

Brush(ブラシ)

Pencil(鉛筆)

 
Stamp(スタンプ)  
Eraser(消しゴム)

Text(テキスト)

Line(線)

Rectangle(矩形)

Ellipse(楕円)

Polyline(ポリライン)

 

Paint(ペイント)

Paint Unpainted(無塗装)

Unpaint(アンペイント)

Close Gap(隙間閉鎖)

 
Colour Eyedropper(カラースポイト)

Pencil Texture Eyedropper
(鉛筆テクスチャースポイト)

 

各描画ツールには、その動作と描画スタイルをカスタマイズするための一連のオプションがあります。ツールを選択すると、Tool Properties(ツールプロパティ)ビューに現在選択されているツールのプロパティが表示され、必要に応じて描画ツールの動作とスタイルを設定できます。

デフォルトでは、Tools(ツール)ツールバーはインターフェースの左側に縦に表示されています。好みに応じてTools(ツール)ツールバーを水平に表示することもできます。Tools(ツール)ツールバーを参照してください。