Harmonyユーザーインターフェースの概要

あらかじめユーザーインターフェースに精通していれば、Toon Boom Harmonyの使用が著しく容易になります。 この章では、ユーザーインターフェースの最も重要な要素についての基本的な概要を説明します。 以下の章では、これらの要素のそれぞれについての詳細な情報を学習します。

Toon Boom Harmonyを初めて使用する場合、デフォルトの作業スペースが表示されます。 ワークスペースはビューと呼ばれるツールバーとパネルから構成され、カットを作成および編集することができます。 デフォルトのワークスペースには、デジタルアニメーションで最もよく使用されるツールバーとビューが含まれています。

ビュー

ここでは、Harmonyで最も一般的に使用されるビューについてそれぞれ簡単に紹介します。

カメラビュー

Camera(カメラ)ビューは、Harmonyでの操作の中心です。 このビューでは、描画、ペイント、アニメーション化、カットの設定、オブジェクトの操作、シンボルの表示、アニメーションのプレビューを行うことができます。

Camera(カメラ)ビューには、ビュー内をナビゲートしたり、表示モードを変更したり、シンボル階層を上に行ったりするために使用できる上部と下部のツールバーもあります。

 

Drawing(描画)ビュー

Harmonyでは、Drawing(描画)またはCamera(カメラ) ビューのどちらでも描画ができます。 2つのビューは類似していますが、描画においてはいくつかの違いがあります。

選択した描画はデフォルトでDrawing(描画)ビューだけに表示されます。 カットのあらゆる有効レイヤーの現在の描画を色抜けした色で表示するライトテーブルや、現在選択されている描画レイヤーの前後の描画を表示するオニオンスキンなどの機能を使用することができます。

Tool Properties(ツールプロパティ)ビュー

Tool Properties(ツールプロパティ)ビューには、現在選択しているツールに関連した最も一般的なオプションおよび操作が表示されます。 Tools(ツール)ツールバーでツールを選択すると、Tool Properties(ツールプロパティ)ビューが更新されます。

例えば、Select(選択)ツールを選ぶと、Tool Properties(ツールプロパティ)ビューには、Snap to Contour(輪郭にスナップ)、Apply to All Drawings,(すべての描画に適用)、Flip Horizontal(水平にフリップ)、Flatten(平坦化)など、それに関連したオプションや操作が表示されます。

カラービュー

Colour(カラー)ビューは、カラーとパレットを作成し、既存のパレットをプロジェクトにインポートするところです。 Colour(カラー)ビューは、描画、塗り、およびカラースタイリングの作成にも必要です。

タイムラインビュー

アニメーションのタイミングを設定するには、ほとんどの場合、Timeline(タイムライン)ビューとXsheet(タイムシート)ビューで作業します。 Timeline(タイムライン)ビュー、それがどう機能するか、そしてそのインターフェースに精通することが極めて有用です。

Timeline(タイムライン)ビューは、描画のタイミングを調整したり、キーフレームを追加したり、レイヤーを順序付けたりする際に使用されるメインビューです。 Timeline(タイムライン)ビューには、レイヤー、エフェクト、サウンド、キーフレーム値、カットの長さ、レイヤー名、描画、キーフレーム、タイミング、およびコマが表示されます。

Timeline(タイムライン)ビューにより、タイミングを左から右に読み取ることができます。 それはカットのエレメントを最も単純な形で表しています。 描画のエクスポージャーと同様に、レイヤーとその名前も表示されます。 描画名は、描画のエクスポージャー上にポインターを置くと表示されます。

タイムラインビュー描画名

Xsheet (タイムシート)ビュー

Xsheet(タイムシート)ビューは、各描画レイヤーは列で表され、カットの各コマは行で表され、エクスポージャーされた各描画はセルにその名前で表示されるようにグリッドに表示することによって、タイミングを垂直に読み取ることができます。 これは、従来型のアニメーションタイムシートのように機能することを意味します。

機能パネルを使用して、選択した列のモーションパスの機能とキーフレームを表示したり、セルにリストされている各コマの機能の値を表示することもできます。

Timeline(タイムライン)ビューとは対象的に、Xsheet(タイムシート)ビューはペグ、エフェクト、もしくはレイヤー階層を表示しません。 したがって、それは従来型のペーパーレスアニメーション向けに最適化されていますが、Timeline(タイムライン)ビューはデジタルアニメーションやカットアウト アニメーション用に最適化されています。

Xsheet(タイムシート)ビュー

Library(ライブラリー)ビュー

Library(ライブラリー)ビューは、アニメーション、描画、背景、キャラクターモデルなどのエレメントを保存して、異なるカットやプロジェクトで再利用できるようにするのに使用されます。 また、Library(ライブラリー)ビューを使用してシンボルを作成および保存するほか、画像と、サウンドファイルと3Dモデルを保存およびインポートすることもできます。

他のカットのカットからエレメントを再利用するには、別のカットにインポートできるようにテンプレートを作成する必要があります。 テンプレートには、1つの描画からカット全体の構造まで何でも含めることができます。 カットにテンプレートを作成してからテンプレートに含めるエレメントをライブラリーにコピーすることにより、テンプレートを作成します。 作成されたテンプレートは、コピーしたエレメントのみを含むミニカットのように構成されています。 テンプレートは、最初に作成されたカットに依存しません。このため、他のカットにも安全にインポートできます。

さらに、Library(ライブラリー)ビューの Drawing Substitution(描画置換)パネルでは、現在のフレームのエクスポージャーをレイヤー内の既存描画の1つにすばやく変更できます。 これは、カットアウトキャラクターの口、手、瞼などのボディーパーツの、通常は複数の描画を含んでいるアニメーションには、特に便利です。

ライブラリービュー

Node(ノード)ビュー

Node(ノード)ビューでは、エフェクトと合成ノードを接続して、ノードシステムとしても知られるネットワークを形成することができます。 このビューは、人形のリギング、高度なエフェクトの作成、そして複雑なカットの明瞭な表示に非常に便利です。 ノードの構成と順序は、合成プロセス中のデータの流れと、アニメーションのエレメントが合成される方法を決定します。

インターフェースナビゲーション

Toon Boom Harmonyでは、インターフェース操作を容易にするため、ズームイン、ズームアウト、回転、パン、ビューのリセットなどが可能です。

以下の表のナビゲーションコマンドは、いくつかの例外を除き次のビューで使用できます。

  • カメラ
  • 描画
  • パース
  • タイムライン
  • タイムシート
  • ノードビュー
  • 機能
  • サイドおよびトップ
  • モデル
コマンド アクション アクセス方法

ズームイン

ビューをズームインします。

View(ビュー) > Zoom In(ズームイン)

2を押す

マウスホイールを上に動かす(Timeline(タイムライン)とXsheet(タイムシート)ビューを除く)

ズームアウト

ビューをズームアウトします。

View(ビュー) > Zoom Out(ズームアウト)

1を押す

マウスホイールを下に動かす(Timeline(タイムライン)とXsheet(タイムシート)ビューを除く)

ズームインまたはズームアウト

ビューをズームインまたはズームアウトします。

マウスの中央ボタンを上下に回転。

スペースとマウス中央ボタンを押したままマウスを上下にドラッグ。

パン

ビューを水平または垂直に移動。

スペースを押しながらビューをパンする方向にドラッグ。

パンをリセット

ビューのパンをデフォルト位置にリセットします。

View(ビュー) > Reset Pan(パンをリセット)

Shift + Nを押す

ビューをリセット

ビューをデフォルト位置にリセットします。

View(ビュー) > Reset View(ビューをリセット)

Shift + Mを押す

回転をリセット

ビューの回転をデフォルト位置にリセットします。

View(ビュー) > Reset Rotation(回転をリセット)

Shift + Xを押す

ズームをリセット

ビューのズームをデフォルト位置にリセットします。

View(ビュー) > Reset Zoom(ズームをリセット)

ビューを回転 ビューを左右に回転させます。 Ctrl + Alt (Windows/Linux)またはCtrl + ⌘ (macOS)を押しながら、回転ディスクをクリック&ドラッグして時計回りまたは反時計回りに回転させます。
3D回転ビュー あらゆる方向にビューを回転させます。 この機能を利用できるのはPerspective(パース)ビューのみです。 Ctrl + Shift (Windows/Linux)または⌘ + Shift (macOS)を押しながら、ステージをクリック&ドラッグしてあらゆる方向に回転させます。

時計回りに30度回転

アニメーションテーブルのように、Camera(カメラ)ビューを時計回りに30度回転させます。

View(ビュー) > Rotate View CW(時計回りにビューを回転)

反時計回りに30度回転

アニメーションテーブルのように、Camera(カメラ)ビューを反時計回りに30度回転させます。

View(ビュー) > Rotate View CCW(反時計回りにビューを回転)

ミラービュー 一時的に Camera(カメラ)またはDrawing(描画)ビューを水平方向に反転させるので、アートワークをミラーリングしているかのように表示および編集できます。 View(ビュー) > Mirror View(ミラービュー)

クイッククローズアップを切り替え

ビューのZoom Factor(ズーム比)をすばやく4倍にします。 例えば、Camera View(カメラビュー)のズーム比が100%の場合、400%と100%の間で順に切り替わるようにします。

Shift + Z

全画面を切り替え

次の表示モードを切り替えます。

  • Normal Full-Screen(通常全画面): メインアプリケーションウィンドウが全画面になります。
  • View Full-Screen(ビュー全画面): 選択したビューが全画面になり、他のすべてのビューが折り畳まれます。
  • Normal(通常): メインアプリケーションウィンドウが元のサイズに復元され、折り畳まれたビューが展開されます。

View(ビュー) > Toggle Full Screen(全画面を切り替え)

Ctrl + F (Windows/Linux)または⌘ + F (macOS)を押す

タッチインターフェース

タッチスクリーン、トラックパッド、またはタッチ入力をサポートするタブレットで作業している場合、基本的な二本指の動作でCamera(カメラ)ビューやDrawing(描画)ビューをズーム、回転、パンさせることができます。 これを行うには、まずSupport Gestures (サポートジェスチャー)の設定を有効にする必要があります。