チャプター10: デフォーマーの使用方法
変形技術を使うと、ビットマップ描画やベクター描画を一定の時間かけて変形させることができます。デフォーマーをリンクさせて、変形の階層を作成することもできます。1枚、または複数の描画レイヤーや画像レイヤーで構成されるキャラクターを変形させて、カットアウトパペットのように動かすことができるのです。
変形エフェクトについて
変形を活用すると、ビットマップやベクターベースのグラフィックを、勾配やテクスチャーも含めてアニメーション化することができます。変形は、曲げたり、形を変えたり、カーブさせたりできる手足や関節のある骨格の働きをします。1枚、または複数の描画レイヤーや画像レイヤーで構成されるキャラクターを変形させて、カットアウトパペットのように動かすことができるのです。 変形骨格は、ボーン、ゲームボーンなど、描画の関節可動や変形に欠かせない多様なピース(ここではレイヤーやノードとして表示)から成る変形ノードで構成されます。
ボーンデフォーマー
Bone(ボーン)変形を使うと、親ボーンが子ボーンを動かす骨格を作ることができます。Bone(ボーン)変形は、腕や脚などキャラクター末端部をアニメーション化する際に便利であり、アニメーションを滑らかで自然に見せてくれます。手足を関節で回転させたり、末端部を縮めたり伸ばしたりといった操作ができます。胴部の屈曲も非常に手軽にできます。
ゲームボーンデフォーマー
Game Bone(ゲームボーン)変形はBone(ボーン)変形に非常に似ており、親ボーンが子ボーンを動かす骨格を作ることができます。相違点は、Game Bone(ゲームボーン)変形が主にUnityなどのゲームエンジンへのエクスポートに最適化されているということです。
Game Bone(ゲームボーン)変形は主に腕や脚などキャラクター末端部のアニメーション化に使用され、アニメーションを滑らかで自然に見せてくれます。Game Bone(ゲームボーン)変形では、手足を関節で回転させたり、末端部を縮めたり伸ばしたりといった操作ができます。胴部の屈曲も非常に手軽にできます。
ボーン変形とゲームボーン変形との主なゲームボーン変形にはバイアスパラメータがなく、という点です。関節の折り畳みにおけるレンダーの結果も異なります。少し丸みを帯びています。
リギング
リギングツールを使用すると、基本的な変形リグを手早く作成することができます。
チェーンを作成していくと、コントロールが表示されます。プロジェクトを閉じるたびに、変形コントロール表示は無効になります。再度プロジェクトを開く際には、コントロールをすべて表示することも、一部だけ表示することもできます。— を参照してください。
では、変形スケルトンを作成するために必要なノードを手動で追加することができます。Kinematic Output(キネマティック出力)のような追加ノードを使用して、高度なリグの作成が可能です。
- Deformation(変形)ツールバーのRigging(リギング)ツールをクリックします。
- Camera(カメラ)、またはTimeline(タイムライン)ビューで、変形させたいエレメントを選択します。描画ノードを選択する場合、変形コンポーネントが自動的に描画ノードの上に追加されます。ペグノードを選択すると、変形コンポーネントがペグの下に追加されます。
- Camera(カメラ)ビューでリグを作成します。特定の変形タイプの追加方法については、以下の手順を参照してください。
- エレメントとリギングツールの選択が終わったら、目的に応じてTool Properties(ツールプロパティ)ビューでBone(ボーン)モードまたはGame Bone(ゲームボーン)モードを有効にします。—参照先:
- 描画か描画グループのルートにカーソルを合わせ、1回クリックしてから離します。肩を例にとりましょう。
- 最初のボーンの終点、かつ次のボーンの始点としたい位置で再度クリックします。作成したボーンの間に、関節コントロールポイントが自動的に挿入されます。Harmony 12以降、関節パラメータはボーンノードやゲームボーンノードの一部となっているので注意してください。
- この作業を繰り返してボーンチェーンを完成させます。
- 既存のボーンの間にボーンを挿入する必要がある場合、Altキーを押します。Insert Bone(ボーン挿入)カーソルが表示されたら、既存のボーンセグメントのうち、ボーンを追加したい位置をクリックします。
- ボーン関節ポイントのどこをクリックしても、そこから新規ボーンチェーンを開始できるので注意してください。関節ポイントの選択後(白)、ボーンを追加したい位置をクリックすると、新しいボーンチェーンが作成され、直前のものが親となります。
- 同じ描画または描画のグループを制御するチェーンが複数ある場合は、Deformation Composite(変形合成)ノードが自動的に作成され、タイムラインビューに表示されます。Timeline(タイムライン)ビューのAdditional Links(追加リンク)セクションで、どのノードがDeformation Composite(変形合成)に接続されているか確認できます。
- 変形ノードを選択したままで、Deformation(変形)ツールバーにあるReset Current Keyframe(現在のキーフレームをリセット)ボタンをクリックします。これで現在の静止位置が現在のフレーム1として設定されます。
変形チェーンの調整
変形チェーンを作成したら、変形させるエレメントに合わせて配置を最適化することができます。
- Timeline(タイムライン)ビューで、セットしたい変形チェーンを含む変形ノード選択します。
- Deformation(変形)ツールバーでShow Selected Deformers and Hide All Others(選択したデフォーマーを表示し他をすべて非表示)ボタンをクリックして、Camera(カメラ)ビューにデフォーマー制御を表示します。これにより、それまで表示されていたデフォーマー制御はすべて非表示となります。
- Deformation(変形)ツールバーのRigging(リギング)ツールをクリックします。
チェーンが緑から赤に変わります。緑のチェーンは、パペットがアニメーションモードであることを示します。赤のチェーンは、パペットが静止位置にあることを示します。チェーンが赤であることを確認してください。
- Camera(カメラ)ビューで変形チェーンをセットアップします。
‣ | 最初のボーンを回転させてチェーンの角度を変更します。 |
‣ | 付け根制御を使用してチェーン全体を再配置(オフセット)します。 |
‣ | コントロールポイントを使用して関節を再配置します。これによってボーンが延長、短縮または方向転換され、後続の子がオフセットされます。 |
‣ | 関節の制御(正方形)を使用して関節のサイズを変更します。クオリティを高めるには、制御するパーツの直径にフィットした関節にすることが大切です。 |
- 同じ手順を繰り返して、チェーンのすべての関節とボーンをリンクされたエレメントに対して正しく配置します。Layer Properties(レイヤープロパティ)で追加パラメータを設定することもできます。
- 変形ノードを選択したままで、Deformation(変形)ツールバーにあるReset Current Keyframe(現在のキーフレームをリセット)ボタンをクリックします。これで現在の静止位置が現在のフレーム1として設定されます。
- Transform(トランスフォーム)ツールを使用します。最適な結果を得るには、関節のサイズが描画のサイズとほぼ同じになるようにします。
- 既存のボーンの間にボーンを挿入する必要がある場合、Altキーを押します。Insert Bone(ボーン挿入)カーソルが表示されたら、既存のボーンセグメントのうち、ボーンを追加したい位置をクリックします。
デフォーマー制御を表示
Rigging(リギング)モード外でデフォーマーを操作するには、変形制御を表示する必要があります。
変形リグを作成したばかりなら、そのまま制御が表示されているはずです。ただし、プロジェクトを閉じるとデフォーマーはオフになります。プロジェクトを再度開くときには、アニメーション化を行う際に必要なものが見られるように、制御を表示する必要があります。
- Camera(カメラ)、Timeline(タイムライン)ビューで、表示したい変形チェーンを含む描画レイヤーまたは変形ノード選択します。
- 次のいずれかを行います。
‣ | Camera(カメラ)ツールバーでShow Control(制御を表示)ボタンをクリックします。 |
‣ | トップメニューからView(ビュー) > Show(表示) > Control(制御)を選択します。 |
‣ | Shift + F11を押します。 |
- Camera(カメラ)、Timeline(タイムライン)ビューで、表示したい変形チェーンを含む描画レイヤーまたは変形ノード選択します。
- Deformation(変形)ツールバーでShow Selected Deformers and Hide All Others(選択したデフォーマーを表示し他のすべてを非表示)ボタンをクリックします。
選択した変形制御がCamera(カメラ)ビューに表示され、他のすべてが非表示になります。
- Timeline (タイムライン)ビューで、トップメニューからEdit(編集) > Select All(すべて選択)を選択し、すべてのノードを選択するかCtrl + A (Windows/Linux)または⌘ + A (Mac OS X)を押します。
- Camera(カメラ)ツールバーでShow Control(制御を表示) ボタンをクリックするかShift + F11を押します。
シーンの変形制御がすべて表示されます。
- 次のいずれかを行います。
‣ | Camera(カメラ)ツールバーでHide All Controls(すべての制御を非表示)ボタンをクリックします。 |
‣ | トップメニューからView(ビュー) > Hide All Controls(すべての制御を非表示)を選択します。 |
‣ | Shift + Cを押します。 |
アニメーション
変形をアニメーション化するためのコントロールは、チェーンをセットアップするためのコントロールと同じです。キーフレームを作成し、コントロールポイントを配置するだけでよいのです。
- Timeline(タイムライン)ビューで、初めのアニメーションポーズを作成したいフレームに移動します。
- Tools(ツール)ツールバーで、Transform(トランスフォーム)ツールを選択します。
- アニメーションキーフレームを作成したい場合、Tool(ツール)ツールバーのAnimate(アニメーション化)モードを有効にします。
- 次のいずれかを行います。
- Timeline(タイムライン)ツールバーで、Add Keyframe(キーフレームを追加)ボタンをクリックします。
- 右クリックしてAdd Keyframe(キーフレームを追加)を選択します。
- F6を押します。
現在のフレームにキーフレームが追加されます。
- Deformation(変形)ツールバーで、Show Selected Deformers and Hide All Others(選択したデフォーマーを表示し他をすべて非表示)ボタンをクリックして、選択したピースのデフォーマーを表示します。
- Camera (カメラ)ビューで次の操作を行います。
- 最初のボーンを回転させて手足を回転させます。
- 後続のボーンを回転させて手足を曲げます。
- 付け根制御を使用してチェーン全体を再配置(オフセット)します。
- コントロールポイントを使用して関節を再配置します。これによってボーンが延長、短縮または方向転換され、後続の子がオフセットされます。
- 関節の制御(正方形)を使用して関節のサイズを変更します。クオリティを高めるには、制御するパーツの直径にフィットした関節にすることが大切です。
- Timeline(タイムライン)ビューで、次のキーポーズを設定したいフレームに移動します。Timeline(タイムライン)ビューで描画をさらに下の方まで見るには、エクスポージャーを拡張する必要があります。
- 次のいずれかを行って、現在のフレームにキーフレームを追加します。
- Timeline(タイムライン)ツールバーで、Add Keyframe(キーフレームを追加)ボタンをクリックします。
- 右クリックしてAdd Keyframe(キーフレームを追加)を選択します。
- F6を押します。
- 前のステップを繰り返してキャラクターをアニメーション化します。
変形エフェクトノードのLayer Properties(レイヤープロパティ)に数値を直接入力してデフォーマーを操作することもできます。