チャプター10: カットアウトキャラクターの構築方法
パペットをブレークダウンするには、さまざまなテクニックがあります。このセクションでは、最も一般的でシンプルな手法のひとつを紹介します。最初にキャラクターのブレークダウンカットアウトアニメーションにおけるブレークダウンとは、キャラクターをピースに分解して、関節を持ったパペットを作成するアクションです。キャラクターを分解するために、アーティストはキャラクターのモデルから手や腕といったパーツをカットして、別々のレイヤーにペーストします。次に関節が固定され、ピボットが設定されます。 セルアニメーションにおけるブレークダウンは、一般的に2つのキーポーズ間にあるアニメーションポーズです。キーポーズとはアニメーションのメインポーズです。ブレークダウンは補助的ポーズとして、動きと回転カーブの描写に役立ちます(通常アークと呼ばれます)。を行う際は、本書の指示に従ってHarmonyの仕組みを理解しましょう。Harmonyの基本的な機能とコマンドについて理解してしまえば、自分なりのテクニックを編み出して作品の制作に応用できるようになります。
ピースの描画
ここに紹介するのは、モデルをトレースするための主なブレークダウン手法です。
- Timeline(タイムライン)ビューで、各ボディーパーツを分割するための新規の描画レイヤーを追加します。これは、Ctrl + R (Windows/Linux)または⌘ + R (Mac OS X)を押しても実行可能です。
- Timeline(タイムライン)ビューで、パーツを描画したいレイヤー上の最初のセルを選択します。
- Tools(ツール)ツールバーで描画ツールを選択します。
- Colour(カラー)ビューで色見本を選択します。キャラクター用のパレットをまだ作成していない場合は、ペイント方法を参照してください。
- Camera(カメラ)またはDrawing(描画)ビューで、新規パーツを描画します。ピースの操作や修正、再描画がしやすいように、なるべく少ない点で描画します。そのためには、Polyline(ポリライン)ツールを使うと便利です。
Drawing(描画)ビューで作業している場合は、Drawing View(描画ビュー)ツールバーのLight Table(ライトテーブル)ボタンをクリックすると、他のレイヤーが薄い色合いで表示されます。これは、Shift + Lを押しても実行可能です。
- 実際のストロークを描かずにシェイプを閉じたいときは、Tools(ツール)ツールバーのStroke(ストローク)を使用して、透明な細いラインを引くことができます。
‣ | View(ビュー) > Show(表示) > Show Strokes(ストロークを表示)を選択するかKを押せば、透明なラインを表示することができます。 |
- Tools(ツール)ツールバーで、描画に彩色するためのPaint(ペイント)またはPaint Unpainted(非ペイント部分をペイント)ツールを選択します。
- Colour(カラー)ビューで対応するカラーを選択します。
- Camera(カメラ)またはDrawing(描画)ビューで、描画をペイントします。
- Tools(ツール)ツールバーでSelect(選択)ツールを選択します。描画を選択して、Tool Properties(ツールプロパティ)からFlatten(平坦化)ボタンをクリックし、ラインを平坦化します。
- いくつかの鉛筆ストロークから成るラインは、ストロークを統合して1本の滑らかな鉛筆ラインにすることができます。Select(選択)ツールで統合したい鉛筆ラインを選択し、Tool Properties(ツールプロパティ)ビューでMerge Pencil Lines(鉛筆ラインを統合)ボタンをクリックします。
- このプロセスを繰り返してブレークダウンを完成させます。
ペグの追加
描画レイヤーには、後からキーフレームを追加することでピースの位置修正を可能にするパスレイヤーとなる親ペグを追加することを推奨します。必須ではありませんが、描画とキーフレームを別にしておくと便利です。
- Timeline(タイムライン)ビューでレイヤーをすべて選択します。
- Timeline Layer(タイムラインレイヤー)ツールバーでAdd Parent Peg(親ペグを追加)ボタンをクリックし、選択したレイヤーすべてに親ペグを追加します。
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レイヤーを親にする
Harmonyでは、活用できるテクニックも増えたリギングが、新たな次元へと進化を遂げています。リンクしたストラクチャーをレイヤー間に構築することで、お互いの内部にあるピースをカプセル化することなく、階層を作成できるのです。
腕と脚に階層を作成して、身体から分離させておきましょう。これにより身体全体に影響を与えることなく胴体を拡大縮小したり、スキューさせたりできるため、アニメーションの自由度が高まります。
- 子ピース(手)をドラッグして親ピース(前腕)の上にドロップします。それから親(前腕)ピースを別の親ピース(上腕)にドロップすることができます。
‣ | レイヤーを非親化するにはShiftを押したまま選択した親をドラッグして、子レイヤーから離します。選択したものを他のレイヤーの間にドロップします。 |
マスターペグ
キャラクターをアニメーション化する際、シーンに合わせてリサイズや位置変更が必要な場合があります。キャラクターを縮小したり移動させたいときは、すべてのパペットを軌跡にフックする(取り付ける)と便利です。
パペットをペグセルアニメーションで、セルレイヤーが動く際にアクションを正確に登録するためのツール。より高度なパペットリギングを行うデジタルアニメーションでは、ペグレイヤーを使用することができます。ペグレイヤーは、描画を含まない軌跡レイヤーです。これはモーションパスで、使用してパス関節を追加することができます。後者にはインバースキネマティクスツールを使用することもできます。に取り付けると、異なるパーツやピースすべてに同じ操作を繰り返すことなく、一度に拡大縮小や位置移動を行うことが可能となります。位置情報は1つのレイヤーのみに保持されるため、アニメーションをより容易に修正およびコントロールできます。
- Timeline(タイムライン)ビューで親とする一番上のレイヤーを選択しペグを設定します。シーンにペグを追加するには、レイヤーを選択する必要があります。
- Timeline(タイムライン)ビューでAdd Peg(ペグを追加)ボタンをクリックします。
選択したレイヤーの親として、新規ペグがタイムラインに追加されます。
- 新規ペグ
Master
にキャラクター名を含む名前をつけます。 - Timeline(タイムライン)ビューで新規ペグに取り付けたいレイヤーをすべて選択します。すでに1つのアイテムがこのペグで親となっているので注意してください。
- 選択した項目をペグレイヤーの上にドラッグし、キャラクターのすべてのピースをこの親ペグの子とします。親となったレイヤーの上にレイヤーを追加するときは、親となったレイヤーを重なったレイヤーの一番上に移動させてください。